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大倉山アソカ幼稚園

OKURAYAMAASOKA KINDERGARTEN
 
子ども・子育て支援新制度幼稚園
AED(自動体外式除細動器)設置施設
無償化対象幼稚園(認可外保育施設の預かり保育併用可)

園長より     SDGs


 
SDGs(持続可能な開発目標)に見る幼稚園
近年SDGsという言葉が我々を取り巻いております。具体的にどんな内容なのかお調べになったことはあるでしょうか。ここでは当園の取り組みを挙げながら、一緒に考えていきたいと思います。
幼稚園は科目教育の場ではありません。遊びを通して総合的に学習し、基本的生活習慣を自然と身に着け、また心身の成育を促す場です。小学校以上に進学すると、なかなか情操教育の時間がありません。幼稚園では心の成長について最も重点的に取り組んでおります。人の行動は最終的には「理解」より「心」で決まります。世界はあまりにも急速に経済発展を遂げてきました。しかしながらその過程でなにか大切なものを置き忘れてきてしまったように感じます。今一度地球規模で、その置き忘れてしまったものを探し、その力をもって青い素晴らしい地球を次世代に残せるように真剣に思案し、行動する「時」なのではないでしょうか。
幼稚園もその一助を担えれば幸いです。

大倉山アソカ幼稚園 園主・園長  
高野山真言宗 歓成院 第26世住職
摩尼秀法 拝

 
SDGs(持続可能な開発目標)2030年までに達成すべき17の目標
 
1.貧困をなくそう
世界的に見ると大きな課題です。教育を受けることは貧困から逃れる一番の方法であります。また教育現場において大切なことは、このような現実を「知る」「理解する」ということです。無知から新たな発想は生まれない。幼児期から広い視点を持つことがこれからの日本、そして世界で活躍する上で必要な要素であると考えます。また当法人では海外諸国へ教育支援を行っており、現在も姉妹幼稚園がスリランカに8園ございます。今までも、モンゴルに孤児院2院、ミャンマーの僧院に宿舎、ホールの建造をし、少しでも多くの子ども達が教育を受けられるように微力ながら支援を続けています。確かな教育はその後の人生において大きな影響を与えることを胸に子ども達の教育に力を入れております。
 
2.飢餓をゼロ
飢餓は1の貧困と大きく関わります。確かな教育を受け、生活が安定する所得を得ること。しかしながら地域特有の事情故の場合もあります。その際に必要なのは、貧困状態ではない者が手を差し伸べるという心と行動です。それには仏教精神にのっとった、他者へのおもいやりが大きな役割を果たしてくれると信じています。
 
3.すべての人に健康と福祉を
幼稚園に通園することにより、子ども達の健康状態ならびに、そのご家族の健康状態を把握し、異常があれば早期に感知することができます。現在の社会は孤立する危険性が多く潜んでいます。どこかに所属することは社会的な見守りに繋がります。
 
4.質の高い教育をみんなに
教育の場を設けることに関しては、本園は既にその一助となっています。当歓成院は昔から寺子屋を開設しており、学校教育が乏しい時代から地域の教育に携わってまいりました。また幼稚園開園の経緯は、戦後この地に幼稚園が不足していることを受け、地域の要請と古より教育の場を提供していた寺院としての信頼から、開園に至りました。これを世界中の子ども達に繋げることができるよう、高い教育を受けた者がその実現に寄与することが必要であります。将来当園の卒園生達がその役割を果たしてくれることを期待しております。
 
5.ジェンダー平等を実現しよう
仏教では全ての人は皆平等であるというのが最も基本的な教義であります。世界的に見て仏教は宗教間対立のない宗教です。それは排他主義とは正反対の他者を認め、尊重するという姿勢が大きな要因であると考えられます。差別のない心を広げていく為に仏教およびそれに基づく教育が大きな役割を果たすことができると信じております。
 
6.安全な水とトイレを世界中に
日本は世界トップレベルの衛生状態を保っています。逆に言うと、当たり前のこと過ぎてかえって意識しないことでもあります。教育現場では衛生について、常に意識できるよう働きかけております。またその衛生状況を維持向上することと同様に、世界の実情を教え、意識を高めております。
 
7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
本園の電力は、クリーンエネルギーを一定以上使用した電力契約となっています。
固形エネルギーには限りがあります。その大切さをこれからさらに子ども達にも教えていくことにいたします。
 
8.働きがいも経済成長も
教育現場では就労への意欲を高めるような働きかけをしています。またそれぞれの得意とする分野を伸ばせるよう、個々の子どもに対して十分な観察を実施しています。また教育現場を支えている教職員の働き方改革を推進し、仕事と家庭とのバランスを取れるように最善を尽くしております。実際、当園の教職員の約7割が既婚者で、そのうち約6割が子育てをしながら職務にあたっております。この数字は幼稚園業界では驚くべき数字です。
 
9.産業と技術革新の基盤をつくろう
日本は技術の力において戦後の発展を遂げてきました。この技術力をさらに向上できるよう、新たな人材が必要です。技術や科学に対して子ども達が興味を持てるように、日々の保育で働きかけをしております。今こそ日本の技術力を持って地球の存続に寄与してほしいと願っております。
 
10.人や国の不平等をなくそう
日本は元来努力を是とし、一生懸命前進することで戦後の経済発展を遂げてきました。日本人の堅実で努力を惜しまない姿勢をこれからも維持していくことが、日本の発展に繋がるものと信じています。一方世界では人種、宗教、性別、障害などにより差別が実在することから目を背けてはいけません。我々日本人も、もっと世界の現状に目を向け関心を持つことが必要であります。本園では今までの本法人の経験をもとに子ども達が「外の世界」に関心を持つことができるよう働きかけをしています。また仏教園ならではの、平等の思想を行事や日々の生活を通して教え、実践しております。
 
11.住み続けられるまちづくりを
当地大倉山は自然を有しながらも、居住、商業などのバランスが取れた地域であります。また当寺院や神社のように歴史的、文化的な施設がまちの中に存在し、それを維持していこうという努力がみられます。その点でとても環境に恵まれた地域であると思います。住みやすい環境の理由はなにか、意識的に考えてみる必要があります。当寺院は500年にわたり、当地のまちづくりの中心であり、これからもまちづくりに参画していきたいと思っております。
 
12. つくる責任 使う責任
資源の大切さを教育を通して教えています。製作なども、できる限り廃材などを活用し、廃材でも手を加えれば立派なものに変身することを、子どもなりに理解していけるよう努めています。
 
13.気候変動に具体的な対策を
現在日本でも気候変動について真剣に議論し、目標をたてています。地球温暖化の問題は幼児には少し難しい問題ではありますが、夏の暑さなどの実体験をもとに、地球レベルへの意識を持てるように配慮しています。また当園および当法人敷地は緑化保全地区になっており、できる限りの木々を植え、緑化に力を入れています。また園舎屋上は緑化を施し、緑化認定を取得しています。
 
14.海の豊かさを守ろう
島国である日本にはとても大切な問題です。島国特有の環境を子ども達にも保育を通して伝えています。海洋ゴミの問題についても、できるだけプラスチックごみを削減するなどの努力をしています。
 
15.陸の豊かさも守ろう
島国であると同時に日本は山の国でもあります。森林は適度に間引きしないと維持できません。近年安価な外洋木材を利用することが多くなり、国内の林業が減衰し、管理ができていない森林が増加しています。当法人は現在寺院の客殿を建築中ですが、なるべく国産の木材を活用する為に、岐阜の工務店と契約し、国産材を多用しています。
また、園内においてはアプリ配信を活用し、ペーパーレス化を推し進めています。
 
16.平和と公正をすべての人に
目標の中には子どもに対する虐待や暴力の撲滅、各種犯罪の減少が挙げられています。幼稚園や学校などに所属することによって、虐待や各種犯罪の抑止がしやすくなります。つまり社会の一員という自覚を持つことにより、その抑止にもなり、万一発生した場合はその早期発見に繋がります。現代社会においては社会から孤立してしまった場合にそのようなことが発生しやすくなります。かつて日本社会がそうだったように、常に社会との接点を持ち、まちや地域一体となって子ども達の見守りをすることが重要であると考えております。当園は園バスのない地域密着型であると同時に、大倉山地域は当歓成院の檀家が多く居住し、地域が子ども達の成育を見守ってくれております。また地域の小学校では学校運営協議会を設け地域の参画を実施し、当園園長もそのメンバーになっております。仏教の教えに八正道という教えがあります。正見・正思・正語・正業・正念・正定・正命・正精進です。これらの教えを実践することによって、正しく生きることができます。徳を持った生き方をすること。これが平和と公正に繋がります。
 
17.パートナーシップで目標を達成しよう
上記の目標を実践するための、総合的な協力体制を整えることが必須です。国によっては経済的な問題により実施できない場合もあります。資金、技術、体制面など様々な分野で「できる」国や人がそのリーダーシップをとることが重要です。これにも自分の利のみでなく「利他」の精神を持って取り組むことが、最終的には自分自身の為に繋がります。ぜひみんなで手をとりあい地球を次世代にバトンタッチできるように努力しましょう。そんなことが一つでも二つでもできる子ども達を育てていきたいと思います。